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2009年8月18日 (火)

“『FILE 082:ヒトと毒薬』を見た。 ”

爆笑問題のニッポンの教養。
2009.08.04.O.A.
FILE 082:『ヒトと毒薬』を見ました。

船山信次(薬学)

以下、番組内容をざっくりと。

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研究室へ。動物実験で ほぼ100%の確率で発がんさせる化合物をいきなり見せられたり。


《VTR》
毒は身近なところにある。(アジサイにも毒あり)船山は自然界から未知の毒を見つけ出すハンターだ。

船山(VTR中):毒のないものはつまらない。



船山:「この化合物はですね、抗がん剤の候補化合物」

船山:「抗がん活性はあるんですけれども、発がん活性もあるんです。」田中:「表裏一体」
  太田氏 離れる。
船山:「薬と毒ってのは 大体そういったところがありますから。」


研究室から書斎みたいなトコへ移動。テーブルを挟んでトーク。

船山:「毒って、どんなイメージを持っていらっしゃいますか?」
太田:「自殺」
田中:「死。トリカブト」
太田:「おなか痛い」
田中:「ヒ素」
太田:「毒舌」
田中:「フグ」

船山:「毒ガスとかね。暗いイメージのもの…あります。でも、毒、お好きじゃないですか?」

ニコチンやアルコール。……百薬の長とは言うけれど…。そして田中氏に“毒舌”を吐く太田氏。

船山:「毒とは言いませんけど、私たちは体内に いわゆる “脳内モルヒネ”って言われるもの。ありますよね。」

『脳内モルヒネ』
  脳内で分泌され 鎮痛作用や 快感に関係するとみられる物質。


船山:「ランナーズハイって言われてる人たちは、それが分泌されているんじゃないか とか。」

太田:「ロックミュージシャンならよくやりますよ…薬や……ね、外国の……、音がよく聞こえたり、感性が研ぎ澄まされる、と思うんですけど、じゃあ 自分が例えば 薬を…ね、これ一錠飲めば、漫才 めちゃくちゃ面白いの作れるよ。と、やり方ももの凄いよ って、やったところで、果たしてやるかな っつったら、やっぱりね、それはね、どーも違う。
    それこそランナーズハイと同じで、脳内モルヒネじゃないと意味が無いんだと思うのね。そういう事って。
    要するに、外部からのそれで、一回上げたけど 必ず下がるわけですよね。効果は もう 数時間。そうなっちゃった時のむなしさを考えると、あと あとでそれ 自分のラリってる状態のいいもの(いい作品)を見た時に、確かにいいとは思うけど、『これって おれじゃないもんな』って思っちゃった時に そのむなしさっていうことを考えるとね、自分でなんとか体の中からその状態にできるような……。運動選手のドーピングみたいな…、やっぱりおれは あれで記録を出しても、おれは嬉しくないと思うけどね。」

船山:「やっぱり努力の結果とかね 色んなことの結果で何かが出来てくるってのが、非常に楽しいことだと それがやっぱり人間の喜びでしょうね。たぶんね。」
太田:「だから 僕のテーマとしては、どうやったら脳内モルヒネが出る状態に 自分の思考で持っていけるか。」



田中氏、太田氏がそこにあった分子の模型を指差して、「何これ?(笑)」と。

船山:「これはアクロナイシンという名のついたアルカノイドなんですけれども」
田中:「ひとっつもわかんねぇ (笑)」

『アクロナイシン』
   オーストラリア産の植物から得られる化合物

船山:「私、この化合物一つで ずいぶん、あの 遊んだというか、研究したんですよ。アメリカに留学して3年間で、……この化合物一つで……18かな 論文を書きましたね。」
太田:「これ一個で?」
船山:「ワクワクしませんか?」
太田:「ワクワクさせて下さいよ」

  分子模型の話を聞いてみるけど、さっぱりわからない。(笑)
太田:「これ見て喜ぶなんて かなり脳内モルヒネ出てる。」


田中:「そもそも、でも、その花とか…植物だけじゃないでしょうけど、動物もそうですけど、毒っていうのは何(なん)であるんですか?
    その、相手を攻撃するみたいな動物もいますけどね。」

船山:「35億年…38億年とか生命の歴史があって、花を使うような植物は1億年ですかね。で、ま、あの カンブリア紀 って時にバーっと色んな生物が出来て、とにかくもう、ものすごい…けたたましい数の生物ができてきたと思います。
    その中で 今、生きてるの どれくらいかっていうと、生存率 どれくらいでしょう…。0.1%までいきますかねぇ。」
太田:「えー…」
田中:「そうなんですかねぇ」

船山:「ほとんどがもう 絶滅してるんですね そうしてみると。たまたま私たちが毒と言っているものを持った生物が、ちょっとでも生き残りに有利だったんじゃないかなということ。」

 “美しい花には 毒がある”

船山:「あの、よく、自分の身を守る為に毒を持ったとか、植物が ですね。そう言うけど 植物 自分で考えてそんなこと出来ません……。どこからか、調達するとか……。」
太田:「結果的に それが残った―…。」

船山:「もう、あらゆる方面にこう進化してってですね、その中に 私たちがたまたま毒というものを持つようになって。
    ただ、私たち 植物やなんかを見たときに、比較的に毒のあるものとかって結構あるんですよね。だからそういうのは生き残りに際して 有利だったんだろうなー、っていうふうに僕は考えてますけどね。」

太田:「毒、毒 って言うけど、異物は…まぁ…体に入ってきて それに体が反応してるだけのことで それを 毒、毒…」
田中:「定義が難しいよね 毒のね」

太田:「例えば でもそれって何かのウィルスが入ってきた時にそれを細胞が…やっつけようとする反応っていうのがあって、それで調子悪くなったりなんかするんだけど それって言ってみりゃ、それによって体を良くしようとする こちらの反応でもあるから 毒って言っても悪いとは限らないですよね。」

田中:「あと 量によってちょっとだったらいいし」
太田:「ワクチンとか それこそ」

田中:「(毒キノコについて)これは毒があるから、これは毒は無いから って言うんだけど、あくまで人間を基準にしている というだけですもんね。」
船山:「そうです まさにそうです」
田中:「他の動物とか…他の植物から考えたら そうとは限らない…。」

船山:「例えば トリカブトって さっきね、まぁ、人間がちょっとでも服用したら大変なことに…。あのトリカブトに よく虫が付くんですよ。団地みたいにですね 穴をポコポコあけて、そこで生活してるんですよ。…とすると…ねぇ。」
田中:「虫食ってるから 大丈夫だ じゃないですねぇ。」
船山:「虫食ってるから 大丈夫 っていうことじゃダメですね。」
太田:「その虫 なんなの?」
田中:「だから関係ないの。そいつにとって別にトリカブトの毒は おれ別にこれ好きだもん ということでしょ。」
太田:「すげぇな そいつ」

船山:「それから今 例えば、この地球上は 私たち酸素っていうものが非常に重要だし ぜったいに必要なものですよね。でも もともとの昔の生物は 酸素はおそらく毒だったんじゃないか というような生物もいた。現在でも酸素以外のものをね 好む生物っていうのもいると思いますね。」

船山:「あの、毒と私たち人類の歴史…色んな あの ところでターニングポイントに出てきてるかな、と思うんですね。人類は力が無いんです。…ある程度はあるんですけども、うんとは無いんですね。
    それで、大きな動物 早い 飛ぶ 鳥 …とか、そういったものをなんとか射とめようという時、普通の槍とか矢とか そういったものでもいいですけど 威力が弱い。そうすると そこの先に毒をつけて、いわゆる毒矢ですよね。それで吹き矢なんかで鳥をフッとやって パタパタと落ちて。 それを食べて人間が生きのびると。そういったような使い方も……。ある方は 世界4大毒矢文明だなんて言って。…毒矢文明って世界中にあるんですよ。

太田:「ほぉー」
船山:「で あの、北海道からですね、ユーラシア大陸…北の方をずーっとね、トリカブト文化圏。」
太田:「聞いたことある それ」

船山:「東南アジアの方は イポー文化圏。それからストロファンツス文化圏っていうのがアフリカの方にあって、クラーレ文化圏っていうのが南アメリカ…中南米の…。その4つの文化圏があって、それぞれ別の毒矢を。

船山:「人類がいわゆる記録を残すっていう習慣を付けました。記録を残す習慣っていうのは、古い記録ですね。くさび形文字とかってありますね。そういったものを見てもですね、必ず毒とか薬の記録っていうのがあるんですね。
    で、あと中国で紙が発明された昔の記録。それから、パピルスがありますね。パピルス、エジプトで紙の原型と言われているものです。あれでエーベルスパピルスとも言いますが、非常に古い時代の書き物の中にも毒や薬の話が、話というか、記録が出ているんです。
だからそういった記録をもしかしたら人類は残したいがために、そういった記録方法を開発したんじゃないかと思えるぐらいですね。」

太田:「あ、毒の記録を残そうと。」
船山:「初めはもちろん口伝っていうかね、親から子へとか、一族の中でっていうことだったんでしょうけれども、それを残しておきたいというようなことがあったんじゃないかなと感じますね。」

田中:「我々はそんなもう毒キノコを食べるとかってたまにありますけど、あまりないですけど、昔の人はやっぱりそれで亡くなってっていうのを繰り返して。それをやっぱり伝えないとっていう。」

船山:「あと歴史上にも色々な逸話とか残ってまして、ソクラテスっていう方はね、ドクニンジンのエキスを服用させられて、今でいう 思想犯か、政治犯みたいなカタチでね、そういったカタチで処刑されたんだけども、自分で死ぬ方法を選ばなければいけなかったんですってね。当時は。」
太田:「それで ドクニンジンを選んで。」

船山:「ドクニンジンを選んで…、それをソクラテスって方が服用して 亡くなっていく様子をですね、弟子のプラトンが克明に…。非常に今でも貴重な資料だと思います。」

《VTR》
 …毒杯を渡した男が
 足先や腰のほうを調べ
 しだいに冷たくなり
 硬くなってゆくのを
 ぼくたちに示しました
 そしてこれが心臓まできたらおしまいです
 と言いました。
   田中美知太郎 訳、プラトン『パイドン』より


船山:「それからクレオパトラという方は 追い詰められて 最後に毒蛇の毒で自殺していらっしゃる。  ………
    あの方は美しいだけじゃなくて、知的な才能もあった。そうすると毒蛇の毒なんかも随分調べていたような形跡があるんです。そうすると楽な方法を使ったですね。」

《VTR》
 船山は クレオパトラは美しい死に方をする為に 皮膚に影響が出ないエジプトコブラを……


太田:「まぁ、毒というか、薬全般ですけど、こういうのって飛躍的に進歩するのは やっぱり戦争とかがあるとね。ナチスドイツが研究したりして ガーっと進歩するじゃないですか。
    まぁ いい方向にも、今は使えるようになりますよね。」

船山:「一番最初に発見された いわゆる制がん剤っていうのは 毒ガスの研究から出てきたんですよ。そういったこと ありますし。 第2次世界大戦の時、ペニシリンっていういわゆる抗生物質のはしりのものが再発見された。
    あぁいう戦争でちょっとした怪我から ばい菌が入って、それで亡くなってしまう、というケースもいっぱいあったわけです。そういうのから救うために、そういった抗生物質がですね 発達した。そういったこと ありましたね。」

太田:「先生のやってる研究の果てに これが基礎になって色々薬が作られるわけですけど、病気を ね、なくすためのもので、ま、延命っていうことが先にあるわけ?」

船山:「ただ 私の考えとしては 生きてる限り クオリティ オブ ライフ と言いますけども、元気のいい状態、気分のいい状態で生きていたいな と、いうことですね。 それを助けることができれば というようなことが。」

太田:「それこそ ちょっとした自己矛盾というか」
田中:「あぁ まぁ そう」
太田:「こないだ、ハリセンボンのはるか。 はるかが結核になった って言って大騒ぎになったじゃないですか。ちょっと一昔前では、あれは不治の病。」
船山:「ほんとに ちょっと前。」

太田:「ほんとに ちょっと前ですよね。
    ところが あれがあったお陰で生まれた文学って どれほどあるだろうと思うと ね。サナトリウム文学っていうのがあるぐらいですよ。
   (画面下 註:『サナトリウム=療養所』)
    結核になったってことは一つのステータスであったりもするわけですよ。そこで死と向き合って、悩んで、若いうちに…。
   生まれた文学が日本文学に与えた影響ってすごいですよ。それって まぁ もちろん あぁいう病気はなくしたほうがもちろんいいし、おれが結核になったら すぐ治してくれだけど、それで失うものも確かにあるんだよね。」

船山:「色んな あの 臓器とかを替えることができるようになると、どんどん こう古くなった臓器を替えていく…。そのことも もちろん 病気の状態になった方に そういう臓器移植によって助けてあげられる。非常に進化はいいことだと思うんですけどね。
    一方で、ある種の矛盾ないかな っていうこと あり得るかなー…。」

太田:「花が パッと咲いて、キレイだと。でもこれに防腐剤がんがんやってですよ 永遠に咲き続けるこの花。あるいはもう造花ですよ そうなったら。
    果たしてそれでも先生は その花キレイかって思うかっていったら、もう そういう概念が頭にあるんで、この先 枯れない って思っちゃった以上、今までのキレイっていう見え方とは違ってきます。」
田中:「桜だって一年中咲いてたら 誰も花見も しないかもわからない。」

船山:「桜の花びらの研究もやったことがあるんですよ。この成分 研究。これ、成分ですね 他の植物の芽を出させないような成分があるんです。」
太田:「ほー、そうですか。」
船山:「だから桜の花…というか桜の木の下って、植物が育ちにくいとかって言いますね。そんなのの理由の一つかなー…って。」

太田:「いわゆる その西洋医学における、そういう薬の作り方っていうのは、まぁ 言ってみりゃ自然のものを人工的に抽出してね、さっきみたいに濃度を濃くしたり、純度を ってやるわけですよね。」
田中:「組み合わせたりなんかね。」

太田:「まぁ介入しているわけですよね。
    本来あるべき分子に人間の手が加わってる そういう危険性って、必ずこういうものってさ、全部にあるわけじゃないですか。例えば公害なんかでもそうじゃないですか。水銀のあれなんかでも。その場ではわからないけども、川に流れて その魚を採って 食うって時に、ここでは薬の濃度が低かったのに、こっちで精製されちゃってる。そうすると濃度が高くなっている。
    それが複合的に来るわけですよね 人間って そうすると、薬局で買った薬も 先生は この薬を飲めば治る っていう段階はわかるけど これを飲んだ人がほかに複合的に何を飲むかわからないわけですよね。」

船山:「むしろ 変な言い方ですけど、恐怖を感じてもらっていた方がいいかもしれませんね。副作用が少ないと言われている薬を 大量にお酒と一緒に飲ませて、保険金殺人……。」

太田:「それこそ一時期なんか、非加熱製剤がどうのこうのっていう、あーゆー判断ミスっていうのも そのちょっと何年か前には誰も気付かなかったりするようなことって日常 医学の選択が起こったりする。」

船山:「これもそんなに前のことじゃないです。サリドマイドっていう薬のこと。たいへん不幸なことだったんですけど、あれは服用したお母さんにとっては何にもなかった 非常にいい薬だったんですけど 世代をこえて、次の世代になんか悪いこと…害が出てきてしまう。
    そういう薬があるんだ っていう 長く わかんなかったわけです。それがわかりだしたのも、そんなに昔のことじゃないんですね」

太田:「しかも なんか 今、サリドマイドって他の使い方があるんですよね。」
船山:「はい。だから使い方だと思うんです まさに。で、非常にまた注目を浴びてますね。
    で、毒と薬っていうのは まったくの 裏腹・裏表で、うまく使えば私たちは薬といったものになるし、使い方を誤れば毒といったものになるんですね。」

“それを毒にするか 薬にするか 人間次第だ。”


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


過去の放送内容として関連するとしたら、
生物にとって、何が薬で、何が毒かなんて分からない。…というか異なる。
ま、なにより番組の最初にあった先生の言葉。
「毒、お好きじゃないですか?」
これはねぇー…。(^^;
体に害があるとわかっててもお酒は飲むし。毒舌を交えたお笑いなんてのもクリーンなものよりも面白かったり。若者向け以外で考えても、綾小路きみまろさんの漫談だってね。
先生の目標としている『元気な状態、気分のいい状態で生きることを助ける』こと。
ま、体も心も健康的な状態にしていくために、
最終的に心や脳や体に“毒が残った状態”にせずに、うまく薬や毒とつきあっていくことが大切なんですかねぇ。

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